採用CRM活用方法|キャリアリレーと連携して“つながり続ける採用”を実現する

採用活動におけるデータ活用が進むなかで、企業が注目すべき仕組みのひとつが採用CRM(Candidate Relationship Management)です。 従来のATS(応募管理システム)が「応募者の進捗管理」に特化しているのに対し、採用CRMは候補者との長期的な関係構築を目的としています。
この記事では、採用CRMの活用方法をわかりやすく解説し、さらに「キャリアリレー」と連携して不採用者データまで資産化する方法を紹介します。
1.採用CRMとは?ATSとの違い
採用CRMは、マーケティング分野の「CRM(顧客関係管理)」を採用活動に応用した仕組みで、 候補者との接点情報を一元化し、応募前・応募中・不採用後までを継続的にフォローするツールです。
| 比較項目 | ATS(採用管理システム) | CRM(採用リレーション管理) |
|---|---|---|
| 目的 | 応募〜内定までの進捗管理 | 候補者との長期的関係構築 |
| 対象 | 応募済み候補者 | 応募前・不採用者・過去応募者含む |
| 機能 | 書類管理・進捗ステータス更新 | メール配信・スコアリング・再アプローチ |
| 成果指標 | 採用スピード | 応募率・再応募率・エンゲージメント |
つまり、ATSが「短期的採用の効率化」を担うのに対して、CRMは「中長期的な採用資産の蓄積と再利用」を担う存在です。
2.採用CRMを導入するメリット
- ① 再応募率の向上:過去応募者に対し、再募集時に自動で案内メールを送信できる。
- ② 候補者体験(CX)の改善:一人ひとりに合わせた情報提供で「大切に扱われている」印象を与える。
- ③ 採用マーケティングの強化:求人の反応率やスキル傾向をデータとして可視化できる。
- ④ 採用コスト削減:過去データを再利用することで、媒体依存を減らす。
このように、CRMを導入することで「人を追いかける採用」から「人が戻ってくる採用」へと変わります。
3.採用CRMの主な機能と活用方法
① 候補者データベースの統合
CRMでは、求人媒体・紹介会社・SNSなど、複数のチャネルから流入する候補者データを自動的に統合。 一人ひとりの応募履歴・スキル・評価・関心職種を「プロファイル化」して管理します。
② セグメント配信とナーチャリング
スキルや応募履歴ごとにグループ分けし、職種別・地域別・経験別などのメール配信を自動化。 「以前応募したが不採用になった候補者」に対して新しいポジションを案内するなど、再エンゲージメントを促進します。
③ スコアリング機能
候補者の行動(メール開封、求人クリック、イベント参加など)をスコア化。 「採用意欲が高い候補者」を優先的にスカウトすることで、採用効率が上がります。
④ タレントプール運用
不採用者や辞退者も含め、今後の採用に活かせる“人材データベース”を構築。 AIマッチング機能を活用すれば、将来の募集職種との自動照合も可能です。
⑤ キャリアリレーとの連携
キャリアリレーは、企業が10人の不採用者を人材紹介会社に紹介することで、1人分の無料紹介枠を獲得できる新しい採用モデルです。 CRMと連携すれば、不採用データを外部活用しながら社内にも蓄積できる、まさに“循環型採用データベース”が実現します。
- お祈りメールにキャリアリレーのリンクを自動付与
- 不採用者のデータをCRMに自動保存
- キャリアリレー経由で得た紹介者データを再登録してパイプライン化
4.キャリアリレー連携による採用CRMの拡張効果
キャリアリレーとの連携によって、採用CRMは単なる“管理ツール”ではなく価値創出ツールに進化します。
① 不採用データの活用でROI最大化
通常は破棄される不採用者データをキャリアリレーを通じて共有することで、 次の採用で無料紹介枠を得ながら、データを資産として活かせます。
② 候補者CXの向上
不採用者に「次のチャンスを案内できる企業」という印象を与え、ブランド信頼度を上げます。 CRM内で開封率や応募率を追跡すれば、体験設計の改善にもつながります。
③ 採用データの循環構築
「応募 → 不採用 → キャリアリレー紹介 → 再応募」というデータの循環が生まれ、 採用が“終わらない仕組み”に変わります。
5.実践的な運用ステップ
- 現状データの整理:ATS・スプレッドシートなどバラバラな応募者情報をCRMに集約。
- タグ設計:職種・スキル・応募経路などのタグを定義してデータ構造を整備。
- 配信フロー構築:候補者属性ごとに自動メールや再アプローチ設定を行う。
- キャリアリレー連携:不採用通知メールにリンクを埋め込み、自動でCRM連携。
- 効果測定と改善:再応募率・開封率・紹介経由採用率を定期分析してPDCAを回す。
6.採用CRM導入で成果を上げている企業事例
リクルートホールディングス
自社CRMを導入し、過去応募者への再アプローチを自動化。 結果、再応募率が1年間で2.3倍に上昇し、採用単価を平均25%削減。
サイバーエージェント
候補者データベースをCRMに統合し、エンゲージメント分析を実施。 「再応募可能時期」の自動通知で、リピーター採用が増加。
キャリアリレー導入企業群
不採用者をCRMで管理し、キャリアリレー経由で無料採用を実現。 データ循環型の採用モデルにより、採用チームの作業時間を年間で40%削減した企業も登場しています。
7.まとめ:CRMで“つながり続ける採用”をつくる
採用CRMの本質は、候補者と企業が長期的に信頼関係を築くことにあります。 それは「一度きりの採用」ではなく、「出会いを未来につなげる採用」です。
そして、キャリアリレーとの連携によって、その関係は社外にも広がります。 不採用者を他社での成功につなげ、自社は採用コストを抑え、採用データを循環させる——。 それこそが、2025年以降の採用DX時代における理想的なCRM運用の形です。

