不採用者フォローで採用を強くする｜キャリアリレーで“不採用者という資産”を活かす方法

更新日: 2025年11月2日 | カテゴリ: 採用DX・候補者体験改善

はじめに：不採用者対応が採用ブランドを左右する時代へ

採用活動では、すべての応募者が内定に至るわけではありません。 しかし、「不採用者への対応」こそが企業の印象を最も左右する重要なポイントです。 お祈りメール一通で関係が終わってしまう企業と、誠実なフォローを行う企業――その差は採用ブランドに直結します。

近年では、不採用者を単なる「選考外者」ではなく、企業の資産（タレントプール）として捉える考え方が広がっています。 その中核を担うのが、不採用者を有効に循環・再活用できる仕組み「キャリアリレー」です。

なぜ不採用者フォローが重要なのか？

不採用者フォローが軽視されがちな理由は、「もう縁がなかったから」という思い込みにあります。 しかし実際には、不採用者の中には“他ポジションでは活躍できる人材”や“将来的に再応募する人材”が多く存在します。

不採用者フォローを怠ると、SNSや口コミサイトでの評価が下がり、将来の応募数にも悪影響を与えます。 一方で、誠実にフォローを行うことで、

• 企業の信頼度・好感度の向上
• 再応募率の向上
• 採用コストの削減（既知候補者の再利用）

といった効果を生み出すことができます。

不採用者フォローに必要な3つの要素

① 丁寧で迅速な不採用通知

結果が出たら早めに連絡を行い、候補者への感謝を明確に伝えましょう。 「今回はご縁がなかったが、応募いただいたこと自体に感謝している」という姿勢が誠実さを示します。

② 再応募・転職支援の案内

「今後のポジションで再応募を歓迎します」など、再チャレンジの機会を明示することが大切です。 これにより、企業への信頼を失わず、長期的な関係を維持できます。

③ 他社紹介によるキャリア支援（キャリアリレー）

不採用者を自社で抱え込まず、他社へ紹介することで、新たな価値を生み出せます。 これを実現するのがキャリアリレーという仕組みです。

キャリアリレーとは？「不採用者を資産に変える」仕組み

キャリアリレーは、企業間で不採用者を紹介し合うことで人材を循環させる仕組みです。 自社で不採用になった方を10名紹介すると、他社から1名の候補者を無償で紹介してもらえるという“相互支援型”モデルになっています。

この仕組みにより、企業は「採用に至らなかった人材」を“損失”ではなく“投資”として扱えるようになります。 不採用者の紹介を通じて他社とのネットワークも生まれ、結果的に自社の採用力を高めることにもつながります。

不採用者10名の紹介で、1名を無償で紹介してもらえる。 キャリアリレーは「断る採用」から「つなぐ採用」へのシフトを実現します。

不採用者フォローの流れ（キャリアリレー活用例）

1. ① 不採用通知メールにフォロー案内を追加：
   「今回はご縁がありませんでしたが、キャリアリレーを通じて他社での機会をご案内できます」と記載。
2. ② 希望者をキャリアリレーへ登録：
   候補者の承諾を得て、他社とのマッチングデータベースに登録。
3. ③ 他社への紹介・再就職支援：
   キャリアリレー経由で他社の採用担当者とマッチング。
4. ④ 自社も無償紹介の恩恵を受ける：
   10名を紹介すれば、1名の候補者を無償で紹介してもらえる。

このサイクルを継続することで、企業は“不採用者対応コスト”を削減しながら、採用リソースを循環的に活用できます。

不採用者フォロー文の改善例

件名：選考結果のご連絡（株式会社〇〇）

〇〇様

このたびは弊社にご応募いただき、誠にありがとうございました。
慎重に選考を進めた結果、今回はご希望のポジションにおいて
ご期待に沿えない結果となりましたことをお知らせいたします。

面接でのご経験やお考えは大変印象的であり、
今後のご活躍を心よりお祈り申し上げます。

また、弊社では「キャリアリレー」を通じて、
不採用となった方にも他社での新しいチャンスをご案内しています。
もしご希望がございましたら、以下よりご登録ください。
👉 https://career-relay.jp



株式会社〇〇
採用担当
    

このように、感謝と次の機会を提示するだけで、不採用通知が“フォローの起点”になります。 候補者体験の向上と採用ネットワークの構築を同時に実現できます。

まとめ：不採用者は「終わり」ではなく「新しい可能性」

不採用者フォローは、企業の採用活動を持続的に成長させるための欠かせない取り組みです。 誠実なフォローは採用ブランドを守り、キャリアリレーを通じた連携は“採用ROI”を最大化します。

不採用者を「切り捨てる存在」ではなく「企業が育てた資産」として扱う―― それが、これからの時代の採用戦略です。 キャリアリレーは、その新しい一歩を後押しします。

執筆：キャリアリレー編集部