不採用メールの例文まとめ|応募者に誠実な印象を残す書き方とマナー

採用活動の中で避けて通れない「不採用メール」。 応募者にとっては残念な知らせであり、企業にとっては“最後のコミュニケーション”です。 そのため、どのような文面で伝えるかによって、企業の印象は大きく変わります。
この記事では、ビジネスシーンで使える不採用メールの例文・テンプレート集とともに、応募者に誠実な印象を与えるためのポイントをわかりやすく紹介します。
目次
不採用メールを送る目的とは?
不採用メールは、単なる選考結果の通知ではありません。 それは、応募者に対して感謝と敬意を伝える重要なプロセスです。
- ① 応募者への礼儀:応募・面接に費やした時間への感謝を伝える。
- ② 企業ブランドの維持:誠実な対応が「信頼できる会社」という印象を残す。
- ③ 将来的な再応募への布石:丁寧な対応は「また応募したい」と思ってもらうチャンスになる。
つまり、不採用メールは“関係を終わらせるため”ではなく、“関係を残すため”のものです。
不採用メールの基本構成
不採用メールを作成する際は、以下の5つの構成を押さえると失敗しません。
- 件名:選考結果がすぐに分かるように
- 宛名:正式名称で呼ぶ(「様」を忘れずに)
- 冒頭:応募・面接への感謝
- 本文:結果通知と今後へのエール
- 署名:会社名・担当者名・連絡先
この流れを守ることで、簡潔かつ誠実な印象を与えるメールになります。
不採用メールの例文テンプレート
① 一般的なフォーマルな不採用メール
件名:選考結果のご連絡(株式会社〇〇) 〇〇様 このたびは弊社の求人にご応募いただき、誠にありがとうございました。 慎重に選考を進めました結果、誠に残念ながら今回はご期待に沿うことができませんでした。 ご多忙の中お時間を割いていただきましたことに、心より感謝申し上げます。 〇〇様の今後のご活躍を心よりお祈り申し上げます。 株式会社〇〇 採用担当 □□
② 面接後に送る丁寧な不採用メール
件名:【面接結果のご連絡】株式会社〇〇 〇〇様 このたびはお忙しい中、弊社の面接にご参加いただきありがとうございました。 慎重に検討を重ねました結果、誠に恐縮ではございますが、 今回は採用を見送らせていただくこととなりました。 面接では、〇〇様のご経験やお考えに触れ、大変有意義な時間をいただきました。 また新たな募集が生じた際には、ぜひ改めてご連絡させていただければと存じます。 〇〇様の益々のご健勝をお祈り申し上げます。 株式会社〇〇 採用担当 □□
③ 再応募を促す“前向き”な不採用メール
件名:選考結果のご連絡(株式会社〇〇) 〇〇様 このたびは弊社の求人にご応募いただき、誠にありがとうございました。 慎重に選考を進めました結果、今回は採用を見送らせていただきました。 ただし、〇〇様のご経験やお考えは弊社の理念と非常に近く、タイミングの問題での見送りです。 今後新たなポジションが発生した際には、改めてご案内させていただきたく存じます。 引き続きご関心をお寄せいただければ幸いです。 〇〇様のご健勝とご活躍を心よりお祈り申し上げます。 株式会社〇〇 採用担当 □□
④ ベンチャー・スタートアップ企業向け(カジュアル版)
件名:【選考結果のご案内】株式会社〇〇 〇〇様 このたびは弊社の選考にご応募いただきありがとうございました! お話しさせていただく中で〇〇様のビジョンや想いに共感する部分が多く、 選考担当としてもとても印象に残る時間となりました。 今回は募集ポジションとのマッチングの観点で見送りとさせていただきましたが、 今後のご活躍を心よりお祈りしています。また機会があれば、ぜひお話できれば嬉しいです! 株式会社〇〇 採用チーム一同
⑤ グループ選考・説明会後に送る一斉配信向け
件名:選考結果のご連絡(株式会社〇〇) 〇〇様 このたびは弊社の採用説明会および選考にご参加いただき、誠にありがとうございました。 慎重に選考を進めました結果、誠に恐縮ながら今回は見送りとさせていただくこととなりました。 多数のご応募をいただく中で、貴重なお時間をいただいたことを心より感謝申し上げます。 〇〇様の今後のご活躍をお祈り申し上げます。 またご縁がありましたら、その際はぜひよろしくお願いいたします。 株式会社〇〇 採用担当 □□
不採用メールの書き方のコツ
- ① 感情的にならない:「申し訳ない」「残念」などを過剰に使いすぎない。
- ② 一貫性を保つ:同じ選考で複数候補者に異なるトーンを送らない。
- ③ 再応募への一言を添える:「またご縁がありましたら」などの前向きな表現で印象を残す。
- ④ 返信不要を明記:応募者が迷わないように、「本メールへの返信は不要です」と記載するのも有効。
不採用メールを「次につなげる」仕組みとは
不採用メールは“終わり”ではなく“始まり”に変えられます。 たとえば以下のような仕組みを取り入れると、採用力の向上につながります。
- ✔ タレントプール管理:不採用者データをCRMに登録し、再アプローチ。
- ✔ 半年後のフォローメール:自動送信で「新しいポジションができました」と連絡。
- ✔ キャリアリレー:不採用者を提携企業へ紹介し、採用コストを回収。
誠実な不採用対応は、企業ブランドの構築とコスト削減の両方に効果があります。
まとめ:不採用メールは“断り”ではなく“関係づくり”の第一歩
不採用メールは、応募者にとって残念な知らせである一方で、 企業にとっては“印象を残す最後の接点”です。
テンプレートを上手に活用しながら、誠実で前向きなトーンを意識すれば、 不採用メールが「企業の信頼」を高め、「将来の再応募や紹介」につながります。
そして、キャリアリレーのような仕組みを活用すれば、不採用者を他社に紹介しながら、 採用コストの回収と人材循環を同時に実現できます。
“不採用メールは、関係を切るメールではなく、関係を育てるメール”。 その意識を持つことが、これからの採用担当者に求められる姿勢です。


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