不採用者とATSツール活用で「採用の資産化」を実現する

──応募で終わらせず、データを次の採用につなげる方法

採用活動では、採用できた人より“不採用になった人”の方が圧倒的に多いのが現実です。
にもかかわらず、多くの企業ではその情報を活かせず、次回の採用は毎回ゼロからスタート。
ここにメスを入れるのが、**不採用者データ × ATSツール(採用管理システム)**の活用です。


手間なく、採用コストを回収へ。
不採用者を「機会損失」で終わらせません

  • 不採用者への対応コストや機会損失を解消し、収益として回収したい
  • 不採用者にも責任をもってアフターフォローを行い、企業ブランディングを向上させたい
  • 手間をかけずに、不採用者へのアフターフォローと、必要な人材の紹介を受けたい
目次

1. ATSツールとは?不採用者管理にも使える“採用のCRM”

ATS(Applicant Tracking System)とは、応募から内定までの流れを一元管理するツールのこと。
本来は「採用の進捗管理」に使われますが、実は不採用者データを資産として管理・再活用できるという面で非常に重要です。

たとえば以下のような情報を整理・蓄積できます。

管理項目活用例
応募日・職種次の募集時に同職種で再案内
面接評価スキル・カルチャーマッチ情報の再利用
不採用理由「条件が合わなかった」「年収ギャップ」などの再チャレンジ条件整理
連絡先・再連絡可否再応募時やキャリアリレーに活用
担当者コメント再面接時の参考データとして活用

ATSを「応募者管理」ではなく「候補者リレーション管理(Candidate Relationship Management)」として使うことで、
不採用者も“将来の候補者”として活かすことができます。


2. 不採用者データをATSで活かす3つの実践ステップ

① 不採用理由をタグで標準化する

「なんとなく違う」ではデータとして使えません。
ATSにタグを設けて、定型的に登録します。

タグ例:

  • 年収ギャップ
  • スキル未達(3ヶ月後再面接可)
  • タイミング不一致(入社時期)
  • 条件変更で再検討可
  • 他候補優先(高評価)

これを入れるだけで、**再募集時に抽出できる“採れる不採用者リスト”**が作れます。


② ATSの検索機能で“再アプローチ候補”を抽出する

多くのATSには、タグ検索や絞り込み検索機能があります。
たとえば「スキルマッチ◎ かつ タイミング不一致」で絞れば、再アプローチ可能な候補者が一瞬でリスト化できます。

募集が立ったときは、媒体に出す前にまずこのリストにメール。
これだけで採用単価を3〜5万円削減できるケースもあります。


③ 自動メール・ステップ配信を活用して“保温”する

ATSによっては、定期的なメール配信機能を備えています。
たとえば「半年後に条件変更の案内を送る」「新ポジション募集を案内する」など、
不採用者が自動で“再応募予備軍”になるよう設計できます。

📩 例:自動送信メール文

件名:以前ご応募いただいたポジションに関するご案内

〇〇様
以前は弊社〇〇職の選考にご応募いただき、ありがとうございました。
当時はタイミングの関係でご縁がありませんでしたが、今回は条件が変更となり再度募集を開始しました。
ご興味があれば、ぜひお話しできればと思います。

株式会社〇〇
採用担当 △△


3. ATS活用で変わる“採用の効率と質”

ATSツールをうまく使えば、次のような変化が起きます。

BeforeAfter
不採用者 → データ放置不採用者 → 将来の採用候補
媒体依存の母集団形成自社DBから再募集(広告費削減)
採用が都度コスト採用が「積み上げ型」へ
「落とす」だけの採用「繋げる」採用へ

つまり、ATSは不採用者を“再利用資産”に変える装置です。
採用活動のたびにお金がかかる構造から、採用を繰り返すほど効率が上がる構造に変えられます。


4. 不採用者活用に向いているATSツール例(国内)

ツール名特徴料金目安
HERP HireUIが分かりやすく、候補者DB活用が得意。タグ・スコア管理も充実。月5万円〜
HRMOS採用管理大手〜中堅企業向け。レポート分析と再アプローチ機能が強い。月10万円〜
ジョブカン採用管理コスパ重視。中小企業の導入多数。不採用者の一元管理も可。月1〜3万円
sonar ATSタレントプール運用を想定した設計。採用CRM的な使い方がしやすい。月5万円〜
Talentio選考履歴と評価データの蓄積が強力。再面接に最適。月5万円〜

5. まとめ:不採用者を“次に採る人”に変える

  • ATSツールは「不採用者データの再活用」を仕組み化できる最強の武器
  • タグと検索を使って、採用しなかった人を“次の母集団”に変える
  • 再アプローチと自動配信で、“応募した人がまた戻ってくる”仕組みを作る
  • 「毎回新しく集める採用」から「積み上げる採用」へシフトする

コメント

コメントする

目次