【キャリアリレー導入成功事例】不採用者を資産化し、採用効率を劇的に改善した企業の実践

はじめに:採用活動に潜む“損失”をどう活かすか
近年、多くの企業が採用活動において「母集団の確保」「採用コストの高騰」「応募者体験(CX)の低下」といった課題に直面しています。 特に“出会ったが採用できなかった”候補者=不採用者をどう扱うかは、見過ごされがちですが、実は大きな“潜在資産”になり得ます。
この潜在資産を活かした仕組みとして、キャリアリレーが注目を集めています。 本記事では、ある中規模企業におけるキャリアリレー導入の成功事例を通じて、導入背景・ステップ・成果を整理します。
① 企業プロフィール・導入背景
企業名(仮称):「株式会社A(従業員数約200名、事業内容:ソフトウェア開発)」
導入時期:20XX年4月
応募数/年:約1,000件
株式会社Aでは、年間約1,000件の応募がある一方で内定・入社に至るのはおよそ50名。つまり多くの候補者が不採用となり、その後のフォローもほとんどできず「出会いが活かされていない」と感じていました。
さらに、求人媒体や人材紹介への支出が年々増加し、1名あたりの採用コストも上昇。加えて「求人広告だけでは質の高い候補者に届きづらい」という課題も生じ、母集団を広げつつコストを下げる仕組みが求められていました。
② キャリアリレー導入の目的
- 不採用者を“資産”として再活用し、母集団形成を効率化する
- 採用コストを削減しながら、採用スピードを向上させる
- 不採用者にも「次の機会を提供する」という企業ブランド価値を高める
③ 導入ステップと展開プロセス
- 導入面談・社内キックオフ:人事・採用担当とキャリアリレー運営側との面談(約1時間)を実施し、導入目的・運用ルール・KPIを設定。
- お祈りメールテンプレート更新:不採用通知メールにキャリアリレー登録リンクを挿入。例文を全応募者に送信。
- 登録・共有フロー設計:候補者がリンクから登録 → プラットフォームで匿名化データ化 → 他社へ紹介という流れを運用設計。
- モニタリングとKPI設定:登録数、不採用者紹介数、無料紹介枠発生数、採用決定数、採用コスト削減率などを定期レポート化。
- フォロー&改善サイクル:お祈りメールの文言改善、登録率向上のためのUI改修、社内紹介促進策の実行。
④ 成果・定量データ 導入後6カ月で、不採用者登録数:230名 不採用者紹介数(10名カウント対象):約250名(10名/1回カウントで25回分) 無料紹介枠として自社に紹介された人材数:2名(無料枠2回発生) この2名が採用決定→入社済み 1名あたりの採用コスト削減想定:約60万円(従来人材紹介で見込んでいた費用)×2名=約120万円削減 採用スピード:書類選考~内定までのリードタイムが平均45日から約30日へ短縮 候補者満足度(社内調査):不採用通知に「次のチャンスあり」のメッセージを付加したことで、「企業に対する好感度が上がった」と回答した割合が不採用者のうち46%から68%へ向上
⑤ 成果・定性効果
– 採用担当者から「不採用者が“終わり”ではなく“つながり”になるという感覚に変わった」との声が上がりました。
– 選考後フォローの工数も増えず、運用負荷がほぼ変わらなかったことが、現場の導入抵抗を抑えるポイントでした。
– 社外候補者からの口コミも改善傾向。「応募しておいてよかった」「次の紹介もあるなら応募しようと思った」という声がSNSや転職口コミサイトで数件確認されました。
– 企業ブランドとして「候補者を大切にする会社」という印象が強まり、次回募集時の応募数増加にもつながる兆しが見えています。
⑥ 導入上のポイントと成功要因
- シンプルな運用:お祈りメールにリンクを貼るだけという簡単な仕組みが、現場のハードルを下げた。
- 登録促進の工夫:お祈りメールに「次のチャンス」文言を加え、登録率向上の施策を実施。
- 社内理解と文化醸成:不採用=終了という意識から“不採用=紹介・循環”という意識に変えたことで、運用定着した。
- 効果測定と改善:登録数・紹介数・無料紹介発生数をKPIに設定し、文言改善・UI改善を実施した。
⑦ 今後の展開・展望
株式会社Aでは、今後以下の展開を予定しています:
– 不採用者データを他社紹介だけでなく、自社のタレントプールにも併用して活用。
– キャリアリレーで得た紹介人材の定着・活躍データを蓄積し、「紹介元の傾向」分析を開始。
– 社内紹介(リファラル採用)制度とキャリアリレーを連携させ、紹介チャネルの多元化を図る。
まとめ:不採用者を“採用の起点”に変える
この成功事例から明らかなのは、キャリアリレーは「不採用を無駄にしない」「採用費を削減する」「採用ブランドを高める」という三者を同時に実現できる仕組みだということです。
応募者すべてを採用できるわけではありませんが、「関係を終わらせず、次の可能性に繋げる」視点を取り入れることで、採用活動が単発イベントから持続的な資産づくりへと変わります。
採用の常識を「採る」から「つなぐ」「循環させる」へ。キャリアリレーは、その第一歩を支える革新的な仕組みです。
✅ この記事のまとめ
- 導入企業は応募数約1,000件/年の中規模企業。応募数の大きさを活かし不採用者活用を実践。
- 不採用者230名登録→紹介枠発生→採用2名・コスト削減約120万円・リードタイム約30%短縮。
- 運用はお祈りメールにリンクを貼るだけ。現場負荷ほぼゼロ。
- 不採用者フォローの改善が応募者体験(CX)を高め、採用ブランドが向上。
- 今後はタレントプール・リファラルとも連動し、採用の多チャネル化を目指す。

