【採用マーケティングオートメーション】採用を自動化し“関係を育てる”キャリアリレー型DX戦略

これまでの採用活動は「求人広告を出す→応募を待つ→選考する」という一方向の流れが主流でした。
しかし、優秀な人材ほど応募前の段階で複数企業を比較検討し、採用市場は「企業が選ぶ」から「候補者に選ばれる」時代へと変化しています。
そんな中で注目されているのが、採用マーケティングオートメーション(採用MA)です。

さらに、これを「不採用者データの活用」と組み合わせ、採用活動そのものを循環型に変える仕組みとして登場したのがキャリアリレー
本記事では、この2つを連携させた“次世代採用DXモデル”を解説します。

手間なく、採用コストを回収へ。
不採用者を「機会損失」で終わらせません

  • 不採用者への対応コストや機会損失を解消し、収益として回収したい
  • 不採用者にも責任をもってアフターフォローを行い、企業ブランディングを向上させたい
  • 手間をかけずに、不採用者へのアフターフォローと、必要な人材の紹介を受けたい
目次

採用マーケティングオートメーションとは?

採用マーケティングオートメーション(採用MA)とは、候補者との関係構築を自動化し、最適なタイミングでアプローチする仕組みです。
営業や顧客獲得の領域で使われてきた「マーケティングオートメーション(MA)」を採用活動に応用したもので、具体的には次のような機能を担います。

  • 求人サイトや採用ページへの訪問履歴を分析し、興味度をスコア化
  • 候補者へメールやLINEで自動フォローを送信
  • 説明会参加者・過去応募者・SNS接触者を一元管理
  • 候補者ごとに最適な時期にスカウト・再アプローチ

このように、採用MAは「応募前の候補者を育てる(ナーチャリング)」という考え方を導入し、“待つ採用”から“育てる採用”への変革を実現します。

なぜ今、採用MAが必要なのか?

採用市場の課題は大きく3つあります。

  1. 母集団形成コストの上昇
    求人媒体や人材紹介費が高騰し、1人採用あたりのコストが年々増加。
  2. 候補者との接点不足
    求職者が複数企業と接触する中で、自社の魅力を伝える前に離脱するケースが増加。
  3. 不採用者データの未活用
    応募後に不採用となった候補者のデータが削除・放置され、次回採用に活かされていない。

採用MAを導入することで、これらの課題に対して以下の改善効果が得られます。

  • 興味度の高い候補者に自動的にリーチできる
  • 応募~内定までのスピードが上がり、CX(候補者体験)が向上
  • データが蓄積され、採用を「資産運用型」に変えられる

採用MAの導入ステップ

  1. ① タレントデータベースの構築
    応募者、過去不採用者、セミナー参加者、SNSフォロワーなど、すべての候補者情報を一元化します。データベースが“採用の母艦”になります。
  2. ② スコアリング設計
    求人ページの閲覧数、エントリー回数、メール開封などの行動データをスコア化。興味度に応じて自動的にステータスを分類します。
  3. ③ ナーチャリング(関係育成)
    候補者の状態に応じて、自動で採用ニュース・社員インタビュー・募集案内を送信。応募意欲を高めながら関係を維持します。
  4. ④ 自動化と最適化
    スコアが一定以上に達した候補者にスカウトメールを送る、説明会案内を配信するなど、MAツールが自動で動くよう設計します。

このサイクルを回すことで、採用の「コスト削減」「応募率向上」「内定承諾率アップ」を同時に実現できます。

キャリアリレーを組み合わせると何が変わるのか?

採用MAは応募前~応募後の接点強化を実現しますが、その後の“不採用者データ”を活かす仕組みまではカバーしきれません。
そこで登場するのが、キャリアリレーです。

キャリアリレーとは、企業が不採用になった応募者10人を紹介会社に紹介することで、1人分の無料紹介枠を獲得できる仕組みです。
不採用者が他社で採用されるかどうかに関係なく、紹介時点で無料枠が確定。企業側は専用のお祈りメールを送るだけで完了します。

このモデルを採用MAと連携させると、次のような流れが実現します。

  1. 採用MAで応募~不採用までのデータを自動蓄積。
  2. 不採用者10人の情報を自動的にキャリアリレーと連携。
  3. 10人紹介するごとに無料紹介枠を獲得。
  4. 次回採用時にその枠を活用し、新たな採用コストを削減。

つまり、採用MAが「データを育てる仕組み」、キャリアリレーが「データを再利用する仕組み」として機能するのです。

採用MA×キャリアリレーの導入効果

  • 採用コスト最大30%削減
    広告・紹介費を減らしながら、質の高い母集団を維持できます。
  • 採用リードタイム短縮
    スコアリングされた候補者にすぐアプローチできるため、平均1〜2週間短縮。
  • 不採用者データの資産化
    削除していたデータが、自動で次の採用チャンスに変わる。
  • 採用ブランディング向上
    「不採用者にもチャンスを残す企業」として、候補者からの信頼が高まります。

導入のポイントと注意点

  • ATS(採用管理システム)との連携を前提にする
  • データ項目(スキル・職種・志向性)を統一して設計する
  • 不採用者の同意管理・個人情報保護を明確化する
  • キャリアリレーの導入で、社内稟議・運用ルールも同時整備

まとめ:採用を“単発”から“循環”へ

採用マーケティングオートメーションは、候補者との関係を「点」ではなく「線」で育てる仕組みです。
これにキャリアリレーを組み合わせれば、採用データは応募から不採用、そして次の採用へと循環し始めます。

単発的な採用活動ではなく、「関係を育て・データを活かし・コストを回収する」――そんな新しい採用の形が、いま動き始めています。
これからの時代、採用は“集める時代”から“育てて循環させる時代”へ。
キャリアリレーとともに、御社の採用DXを一歩先へ進めましょう。

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