【リファラル採用DX事例】不採用者データを資産化する「キャリアリレー」で採用コストをゼロに

採用の世界において、近年「リファラル採用DX（Referral Recruiting DX）」が大きな注目を集めています。社員紹介制度をベースに、デジタル技術を活用して採用効率を高めるこの手法は、企業文化に合う人材を低コストで採用できる点で注目されています。
しかし実際には、リファラル制度をうまく活用できている企業はまだ一部に限られています。そこで登場したのが、不採用者データを“次の採用機会”に変える新しい仕組み「キャリアリレー」です。

リファラル採用の課題：制度はあるが“動かない”現実

リファラル採用とは、社員が知人や友人を紹介する形で人材を採用する制度のことです。企業にとってはミスマッチが少なく、採用コストも低減できるというメリットがあります。
しかし、実際の現場では「紹介する社員が少ない」「紹介の仕組みが面倒」「社内に周知されていない」といった課題が山積みです。せっかくの制度も、運用が複雑で定着しないケースが多く見られます。

デジタルの力で“採用の滞留”を解消するDX化の波

ここで重要になるのが「DX（デジタルトランスフォーメーション）」の考え方です。採用プロセスにデータ活用や自動化を導入することで、これまで手作業に頼っていた採用活動を効率化し、ROI（投資対効果）を最大化する流れが加速しています。
具体的には、タレントプールの自動更新、候補者データのスコアリング、採用マーケティングオートメーションなどが広がりつつあります。

「キャリアリレー」が解決する新しい採用循環モデル

「キャリアリレー」は、これまで活用されてこなかった“不採用者データ”を循環させることで、採用の新たな価値を生み出す仕組みです。
企業は、不採用になった応募者10人を人材紹介会社に紹介するだけで、1人分の無料紹介枠を得ることができます。この仕組みは、紹介された不採用者が他社で採用されるかどうかに関係なく有効です。

つまり、「不採用者が資産になる」採用モデル。それがキャリアリレーの最大の特徴です。
企業側の作業は、専用の「お祈りメールテンプレート」を使うだけ。システム導入や煩雑な手続きも不要で、採用担当者の負担を最小限に抑えながら成果を生み出せます。

リファラル採用DX × キャリアリレーの成功事例

あるIT企業では、キャリアリレーの導入によって「採用コストの年間30％削減」に成功しました。これまで自社の採用サイト経由で集まった応募者のうち、不採用になった人材情報はすべてデータベースで眠っていました。
しかしキャリアリレーを導入したことで、不採用者データを提携エージェントに共有し、その見返りとして“無料紹介枠”を獲得。結果的に、コストをかけずに3名の即戦力人材を採用することができたのです。

また、別の製造業企業では、不採用者の紹介によって採用エージェントとの関係が深まり、候補者データの質も向上しました。
結果として、自社の採用スピードは約1.5倍に向上し、現場からも「採用活動が滑らかになった」という声が上がっています。

採用活動の“無駄”をなくすデータ循環型モデル

従来の採用活動では、不採用者データは「使われない情報」として扱われてきました。応募者管理システム（ATS）に蓄積されたまま、次の採用活動には活かされません。
しかし、キャリアリレーの登場によって、このデータが再び動き出しました。不採用者が別の企業で新しいキャリアを歩むことで、紹介企業にも採用枠という“リターン”が発生する仕組みが完成したのです。

「人が巡る」時代へ。採用は単発から循環へ

これまでの採用は、「応募→面接→採用or不採用」で終わる直線的なプロセスでした。
キャリアリレーはこの流れを“循環型”に変えます。不採用者が他社に紹介されることで、別の企業にとっての採用機会となり、さらにその企業が次の不採用者を紹介していく。
こうした人材の循環が生まれることで、採用マーケット全体がより健全に、持続的に成長していくのです。

まとめ：リファラル採用DXの次なる形は「データ循環型採用」

リファラル採用の課題は、「紹介が止まる」こと。キャリアリレーはその流れをデジタルの力で再設計し、採用コストを削減しながらも候補者との関係を持続させる仕組みを提供します。
導入の手間もなく、既存の不採用者データを活かすだけで採用ROIを大幅に改善できるこのモデルは、採用の常識を変えるDX事例といえるでしょう。

これからの時代、採用活動は「人材を取り合う競争」ではなく、「人材を循環させる共創」へ。
キャリアリレーは、その第一歩を切り開く仕組みとして、多くの企業の未来を支えます。